充電器を替えても速くならない、5つの原因
140Wの充電器を買ったのに変わらない。原因はたいてい充電器の外側にあります。上から順に確かめてください。
高出力の充電器に買い替えたのに、体感が変わらない。よくある話で、原因はほぼ決まっています。
充電の速さは、充電器・ケーブル・機器・規格・温度の5つのうち、一番低いところで頭打ちになります。上から順に確かめてください。
1. 機器側の上限に当たっている
まずこれです。充電器が何Wでも、機器が受け取れる上限を超えて流れることはありません。
- スマートフォンは、機種ごとに受け入れ上限が決まっている。20W台の機種に100Wの充電器をつないでも20W台で充電される
- ノートPCも同じで、65Wの機種は65Wで止まる
- ワイヤレスイヤホンやスマートウォッチは、そもそも数Wの世界
つまり**「速くならない」が正常**なケースがかなりあります。手持ちの機器の上限を先に調べてください。純正充電器のW数表記が、だいたいその機器の上限です。
2. ケーブルが足を引っ張っている
次に多いのがここです。USB-Cのケーブルは見た目が同じで、60Wまでのものと、100W以上流せるものがあります。
- 100W超を流すには、専用の識別チップ(eマーカー)が入ったケーブルが要る
- 安いケーブル、機器の付属ケーブル、古いケーブルは60W止まりのことが多い
- 「充電できるが遅い」場合、ケーブルを替えるだけで解決することがある
詳しくはUSB-Cケーブルの見分け方に書きました。充電器を買い替える前に、まずケーブルを疑うほうが安く済みます。
3. 複数ポートに挿していて、出力が分配されている
見落としがちな原因です。多ポートの充電器は、合計出力を複数ポートで分け合います。
たとえば100Wの3ポート充電器で、
- 1ポートだけ使用 → 100W
- 2ポート使用 → 65W + 30W のように分配される
- 3ポート使用 → さらに細かく分かれる
分配のルールは製品ごとに決まっていて、商品ページに表として載っています。「どのポートに挿すか」で速度が変わる製品も多く、たいてい一番上のポートが最優先です。
ノートPCを最速で充電したいときは、他を抜いて単独で挿すだけで変わります。
合計500Wクラスのような大出力機が存在するのは、この分配で削られないようにするためです。
4. 規格が噛み合っていない
USB PD(Power Delivery)の中にも、細かい段階があります。
- PD 3.0 まで → 最大100W
- PD 3.1(EPR) → 最大240W。240W対応のケーブルが別途必要
- PPS → 電圧を細かく刻む方式。対応機種では発熱を抑えつつ速く充電できる
機器がPPSを要求しているのに充電器が非対応だと、一段下の遅いモードにフォールバックします。Androidの一部機種で「純正だと速いのに社外品だと遅い」のは、たいていこれです。
逆に、独自規格(メーカー専用の超急速充電)は、そのメーカーの純正充電器でしか出ません。ここは汎用品でどうにかなる部分ではないので、割り切ってください。
5. 熱で絞られている
充電中に本体が熱くなると、機器は自分で電流を落とします。これは故障ではなく保護動作です。
- 充電しながらゲームや動画視聴をすると、ほぼ確実に絞られる
- ケースを付けたままの充電、布団やソファの上での充電も熱がこもる
- 真夏の車内や直射日光下では、充電が止まることもある
充電中は触らないのが一番速いです。急ぎのときほど、置いて離れてください。
確認の順番まとめ
- 機器の受け入れ上限を調べる(純正充電器のW数)
- ケーブルを100W対応のものに替えて試す
- 他のポートを抜いて単独で挿す
- 機器が要求する規格(PPS・EPR)に充電器が対応しているか見る
- 涼しい場所に置いて、触らずに充電する
ここまでやって変わらないなら、それがその機器の上限です。
それでも買い替えるなら
充電器を替えて明確に速くなるのは、今使っているものが古い or 出力が明らかに低い場合です。
- 5W〜12Wの古いUSB-A充電器を使っている → PD対応に替えれば明確に変わる
- ノートPCに45Wの充電器を使っている → 65W以上にすると、作業しながらでも充電が進む
- 複数台を同時に充電していて、毎回分配で削られている → 140Wクラスの多ポートにすると、分配後でも各ポートが実用的な出力になる
選び方の手順はUSB充電器の選び方にまとめています。必要なW数を計算してから買うと、過剰な買い物を避けられます。
買い時
充電器は大型セールでの値動きが大きく、型落ちが狙い目の分野でもあります。GaN(窒化ガリウム)採用で小型化が進んだ結果、旧世代は同じ出力でも一回り大きいというだけで安くなります。
据え置きで使うなら、その一回りの差は問題になりません。持ち歩くなら新しいほうを取る。使う場所で判断が変わるのが充電器です。
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