キーボードとマウスは、スペックより先に決めることがある
軸の種類やDPIは、その次の話です。接続方式とサイズで、使えるかどうかが決まります。
キーボードとマウスは、毎日一番長く触るガジェットです。それなのに、モニターや充電器に比べて後回しにされがちで、選ぶときはいきなり「軸の種類」や「DPI」の話から入ってしまいます。
順番を戻します。先に決めるのは接続方式とサイズです。
1. 接続方式は、用途で一択に絞れる
| 方式 | 向く用途 | 弱点 |
|---|---|---|
| 有線 | 競技性の高いゲーム、電池切れを避けたい | ケーブルが机を占める |
| 2.4GHz(USBドングル) | ゲームと作業の両方。遅延が小さい | USBポートを1つ使う |
| Bluetooth | 複数機器の切り替え、持ち歩き | 復帰にわずかな待ちがある。PCのBIOS画面で効かないことがある |
見落としがちなのは最後の行です。BluetoothキーボードはPCの起動前の画面で使えません。 OSが立ち上がる前に操作が必要な場面(BIOS設定、OS再インストール)では、有線か2.4GHzが要ります。メインの1台をBluetooth専用機にするなら、安い有線キーボードを1本持っておくと詰みません。
多機能機は両対応です。普段はBluetoothで複数機器を切り替え、必要なときだけドングル、という使い方ができます。
2. サイズは、机の幅とマウスの可動域で決まる
キーボードのサイズは、テンキーの有無と最上段・矢印キーの扱いで分かれます。
- フルサイズ → テンキーあり。数字入力が多い人向け。ただし横幅を取り、マウスが右に押しやられて肩が開く
- テンキーレス(TKL) → 一番バランスが良い。矢印キーとファンクションキーは残る
- 60%・65% → 小さい。矢印キーやファンクションキーが同時押しになる。慣れが要る
肩が痛くなる人は、まずキーボードを短くするほうが効きます。マウスを体の正面近くに置けるようになるからです。テンキーが必要なら、別体のテンキーを左側に置く手もあります。
3. キーの方式は、音と重さの好み
ここでようやくスイッチの話です。
- メンブレン → 安い。押し心地は柔らかい。長時間だと疲れにくい人もいる
- メカニカル → 軸で性格が変わる。赤軸系は静かで軽い、青軸系は音が大きい、茶軸系は中間
- 静電容量無接点 → 高価。押下感が独特で、長時間の入力に向く
- 磁気式(ラピッドトリガー) → 押し込み量を検知する。ゲーム用途で伸びている方式
在宅で会議をするなら、音は現実的な問題です。 青軸系はマイクにはっきり入ります。同居人がいる場合も同じで、静音を選ぶ理由は十分にあります。
ゲーム用途で「キーを離した瞬間に入力が切れる」動作が要るなら、ラピッドトリガー対応の磁気式が対象になります。作業用途では効果を体感する場面がないので、価格差を払う理由は薄いです。
4. マウスは、DPIより持ち方とサイズ
DPI(感度)の上限は、ほとんどの人にとって意味のない数字です。実際に使うのは800〜1600あたりで、上限が26,000でも使いません。
見るのはここです。
- 持ち方。 かぶせ持ち・つかみ持ち・つまみ持ちで、合う形状が違う
- 手の大きさに対する全長。 小さすぎると指が余り、大きすぎると持ち上げられない
- 重さ。 軽いほど良いわけではない。大きく動かす人は軽量、細かく合わせる人は少し重いほうが安定する
- クリックの耐久。 光学式スイッチはチャタリング(勝手に二重クリックされる症状)が起きにくい
ワイヤレスの軽量ゲーミングマウスは、有線並みの応答で軽さを取れる方向に進んでいます。ただし、作業用途なら重要なのは戻る・進むボタンとホイールの質で、そこは価格帯とあまり関係ありません。
5. ショートカットは、専用デバイスに逃がせる
キーボードのマクロ機能に詰め込むより、独立したボタンに割り当てるほうが覚えやすいです。
どちらも「無いと困る」道具ではありません。同じ操作を1日に何十回もしているという自覚があるときだけ、検討する価値があります。
買わなくていい場合
- 今のキーボードで、手が痛くない。 快適さは主観なので、困っていないなら替える理由がありません
- 光る機能に惹かれている。 数日で設定を切ります。光量の調整ができるかだけ見ておけば十分です
- 無線化したいだけ。 遅延に不満がないなら、安価なBluetoothモデルで足ります。ゲーミング向けの低遅延技術は、その用途では差になりません
買い時
キーボードとマウスは、セール時の値引き幅が大きく、かつ型落ちが安い分野です。ゲーミング向けは世代更新が早く、前世代でも性能差が体感に出ないことが多いので、旧型は毎回見る価値があります。
一方で、触らずに買うと外しやすい製品でもあります。可能なら店頭で押してから、価格は当サイトの記録で確認して、安いタイミングで買う。この順番が一番失敗しません。
広告