ゲーミングモニターの数字は、どこまで必要か
280Hzも0.03msも、条件が揃わないと体感できません。効く順番と、効かない数字を切り分けました。
ゲーミングモニターの商品ページには数字が多すぎます。リフレッシュレート、応答速度、コントラスト比、色域。全部を上げようとすると価格が跳ね上がりますが、実際に効くものと、条件が揃わないと意味がないものがあります。
切り分けて書きます。
リフレッシュレートは、PCが出せるフレーム数で頭打ち
240Hzのモニターを買っても、PCが120フレームしか描けないなら120Hzのモニターと同じです。ここは上限の話なので、先に自分の環境を見ます。
目安はこうなります。
- 60Hz → ゲームをしないなら十分。事務作業と動画では差が出ない
- 120〜144Hz → ここが一番の変わり目。マウスカーソルの動きから違う。多くの人はここで満足する
- 240Hz以上 → 競技性の高いFPSで、フレームレートを出せるPCがある場合のみ。解像度をフルHDに落としてでもフレーム数を稼ぐという遊び方とセット
144Hzと240Hzの差は、60Hzと144Hzの差よりずっと小さいです。予算が限られているなら、Hzを上げるより解像度かパネル品質に回したほうが満足度は上がります。
27インチの144Hzクラスが2万円を切るところまで来ているので、「とりあえず高リフレッシュレートを試す」なら、この価格帯で足ります。
応答速度の「0.03ms」は、比較には使えない
応答速度の表記は測定条件がメーカーごとに違います。GtG(中間色から中間色)、MPRT(残像の見え方)、最速設定時の値など、前提が変わると数字は簡単に変わります。
- 同じメーカーの同じ表記どうしなら比較できる
- 違うメーカーの数字を並べても意味がない
- パネルの種類のほうが支配的。有機ELは構造的に速く、VAは黒挙動で不利になりやすい
「1ms」と「0.5ms」で悩む時間があったら、パネルの種類を見てください。
パネルの種類は、用途で決まる
| 種類 | 強み | 弱み |
|---|---|---|
| IPS | 視野角と色。作業と併用しやすい | 黒が浮く。暗い場面が灰色がかる |
| VA | コントラストが高く黒が締まる | 暗い色から明るい色への切り替わりが遅い |
| 有機EL(OLED) | 黒が完全に沈む。応答が速い | 価格。長時間の固定表示に弱い |
| MiniLED | 明るさとコントラストの両立 | 明暗の境界に光のにじみが出ることがある |
作業用と兼ねるならIPSが扱いやすいです。映像とゲームに寄せるなら有機ELかMiniLEDが候補になります。
有機ELで一点だけ注意すると、同じ場所に固定表示し続ける使い方(タスクバー、配信のオーバーレイ、表計算の枠線)は焼き付きのリスクがあります。ゲーム専用の2枚目にするか、自動で画面を微妙にずらす機能を入れたままにしてください。
解像度とHzは、ケーブルで詰まる
見落としが一番多いのがここです。モニターとPCが対応していても、ケーブルと端子が足りないと出ません。
- 4K・高リフレッシュレートは、HDMIとDisplayPortでバージョン要件が変わる。古いケーブルだと解像度かHzのどちらかが落ちる
- モニターに付属するケーブルが最上位規格とは限らない
- ノートPCのType-C映像出力は、帯域を他の用途と分け合う。ドッキングステーション経由だと上限が下がることがある
設定画面でHzが選べない場合、まず疑うのはケーブルです。モニターを疑う前に差し替えてください。
可変リフレッシュレート(VRR)は入れておく
FreeSyncやG-SYNC Compatibleと書かれている機能です。フレームレートが上下したときの画面の裂け(ティアリング)とカクつきを減らします。
これは数値のスペックと違い、対応しているかどうかの二択です。ほとんどの製品が対応していますが、対応していても初期設定でオフのことがあります。買ったらモニター側のメニューで確認してください。無料で効く数少ない設定です。
4Kと高リフレッシュレートを両立させたい場合
価格が上がる組み合わせです。妥協の方向は2つあります。
- 解像度を落として運用する。 4K160Hzと、フルHDで320Hzを切り替えられるデュアルモード機は、この妥協を製品側で吸収した形です
- 用途で分ける。 作業用の4Kと、ゲーム用の高リフレッシュを2枚並べる。合計金額では1枚に集約するより安く済むことがあります
買わなくていいもの
- HDR対応の表記だけを理由に上位機を選ぶ。 明るさが足りないHDRは、オンにすると逆に眠い絵になります。実効的な効果が出るのは高輝度のMiniLEDや有機ELからです
- カーブ(湾曲)を作業目的で選ぶ。 没入感には効きますが、直線を扱う作業(画像編集、図面)では歪みが気になります
- 内蔵スピーカーに期待する。 どの価格帯でもおまけです。音を気にするなら外付けのほうが早いです
買い時
モニターは大型セールでの下げ幅が大きい分野です。特にモデル切り替えの時期に旧型が大きく下がります。新型で変わっているのがポート構成だけ、というケースも珍しくないので、型番違いの旧型は毎回チェックする価値があります。
当サイトで価格を記録している製品はモニターのカテゴリにまとめています。買う前に、今の価格が過去とどう違うかだけ見てください。
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