停電のときに役に立つガジェットと、役に立たないもの
備えるほど使わないのが防災用品です。普段使いと兼ねられるものから揃えます。
防災用品の難しいところは、使わない前提で買うことです。専用品を買って押し入れにしまうと、いざというときに電池が切れているか、置き場所を忘れています。
だから原則はひとつ。普段使っているものが、そのまま非常時に使えるようにしておくことです。
停電で最初に困ること
順番はだいたい決まっています。
- 情報が取れない(スマートフォンの電池)
- 暗い(夜間)
- 暑い・寒い(季節による)
- 連絡が取れない(通信の輻輳)
この順で対策を考えます。
1. スマートフォンの電池
最優先です。情報、連絡、地図、照明のすべてがここに乗っています。
容量の目安
- 10,000mAh → スマートフォン約2回分。1〜2日をしのげる
- 20,000mAh → 家族のスマホを数回。停電が長引く想定ならここ
- 5,000mAh → 日常の予備。防災用としては心もとない
普段から10,000mAh級を1つ持ち歩き、家にもう1つ大容量を置いておく構成が現実的です。
保管のコツ
モバイルバッテリーは、満充電で放置すると劣化します。防災用として置くなら、
- 50〜80%程度で保管する
- 3か月に一度は残量を確認して補充する
- 高温の場所(車内、直射日光)に置かない
「防災用に買ったが、いざ使ったら空だった」は非常によくある話です。カレンダーに点検日を入れておいてください。詳しくはモバイルバッテリーの寿命、膨らみ、飛行機、捨て方に書きました。
ケーブルも一緒に
バッテリーだけあってもケーブルがないと使えません。ケーブル一体型のモバイルバッテリーは、この点で防災向きです。巻取り式やケーブル内蔵型なら、探す手間がありません。
2. 照明
スマートフォンのライトでも足りますが、電池を照明に使うのはもったいないです。
- ヘッドライト(頭に付ける) → 両手が空く。作業と移動に強い
- ランタン → 部屋を照らす。天井に向けると広がる
- 懐中電灯 → 一点を照らす。移動には向くが、部屋の照明には弱い
乾電池式か、充電式か。充電式のほうが普段使いしやすく、乾電池式のほうが長期保管に強いという違いがあります。両方を1つずつ持つのが手堅い構成です。
ちなみに、ペットボトルの水にスマートフォンのライトを当てると、光が拡散してランタン代わりになります。道具がないときの応急処置として覚えておく価値があります。
3. 暑さ・寒さ
- 夏 → 充電式のサーキュレーターや扇風機。USB充電式のものなら、モバイルバッテリーから動かせます
- 冬 → 電気を使わない防寒(毛布、カイロ)のほうが確実です。電気ストーブは消費電力が大きく、モバイルバッテリーでは動きません
発熱する家電は、バッテリーでは動きません。 ここは電気に頼らない対策のほうが現実的です。
4. 情報と連絡
- 通信は輻輳する。 音声通話は繋がりにくく、データ通信のほうが通りやすい傾向があります
- 公衆Wi-Fi が災害時に開放されることがあります
- ラジオ は、通信が使えない状況でも情報が取れる唯一の手段になります。スマートフォンのアプリ版は通信が必要なので、電波を受信する物理的なラジオが別に要ります
買わなくていいもの
- 多機能すぎる防災ラジオ。 手回し発電、ライト、ソーラー、バッテリーを1台に詰めたものは、それぞれの性能が中途半端です。特に手回しでスマートフォンを充電する機能は、実用的な電力になりません
- 専用の防災セット(高価格帯)。 中身を確認せずに買うと、使わないものが多く含まれます。必要なものを個別に揃えたほうが安く、確実です
- ポータブル電源(最初から大型)。 数万円〜数十万円の製品です。普段使う用途があるかを先に考えてください。キャンプや車中泊で使うなら価値がありますが(1024Whクラスの例)、防災専用で買うと保管と点検の負担が大きくなります
普段使いと兼ねる
結局、これが一番確実です。
| 普段の用途 | 非常時の役割 |
|---|---|
| 通勤用のモバイルバッテリー | スマートフォンの電源 |
| 出張用の多ポート充電器 | 電気が復旧したときに一気に充電 |
| キャンプ用のランタン | 部屋の照明 |
| 充電式サーキュレーター | 夏の暑さ対策 |
| 予備のケーブル | 何にでも使う |
使っているから、そこにあることを覚えていて、充電されている。 これが防災用品の理想形です。
点検の習慣
年に2回、季節の変わり目に確認してください。
- モバイルバッテリーの残量(50〜80%に)
- 乾電池の使用期限
- ライトが点くか
- 保管場所を家族が知っているか
この4つだけです。5分で終わります。
防災用品は「買った時点」ではなく「点検を続けている状態」が備えです。普段使うものを選べば、点検は自然に済みます。当サイトではバッテリーのカテゴリで価格を記録しているので、買い足すときの参考にしてください。
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