データのバックアップ、最低限の形

読みもの

全部を完璧にやろうとすると続きません。自動で回る仕組みを1つ作る話です。

バックアップは、やらないまま数年が過ぎることが多い作業です。そして、必要になるのは決まって、一番困るタイミングです。

完璧を目指さず、自動で回る形を1つ作るところから始めます。

失うと困るものを3つに分ける

1. 取り戻せないもの

  • 写真、動画
  • 自分で書いた文書、作ったデータ
  • 手書きのメモをスキャンしたもの

ここだけは、必ず2か所以上に置いてください。

2. 手間をかければ戻せるもの

  • アプリの設定
  • ブックマーク
  • ダウンロードした資料

なくても致命的ではありませんが、復元に時間がかかります。

3. 戻せるもの

  • インストール済みのソフト
  • 配信サービスのコンテンツ

バックアップの対象外で構いません。

最低限の形

写真・動画

自動でクラウドに上がる設定を1つオンにする。これだけで、取り戻せないものの大半が守られます。

  • スマートフォンの写真は、自動アップロードを有効に
  • 容量が足りないなら、古い分を外付けストレージに逃がす
  • 逃がしたら、そこも1か所しかない状態になります。重要なものは2か所へ

PCのデータ

  • OS標準のバックアップ機能を使う(Windowsのファイル履歴、macOSのTime Machine)
  • 外付けドライブを1台つなぎっぱなしにして、自動で走らせる
  • 手動でコピーする方式は、続きません

大容量なら、据え置きのHDDが容量単価で有利です。速度が要るならSSD

3-2-1という考え方

厳密にやるなら、次の形が知られています。

  • 3つのコピー(元データ+バックアップ2つ)
  • 2種類の媒体(外付けとクラウドなど)
  • 1つは別の場所に(火災・盗難・水害の対策)

家庭でここまでやる必要はないかもしれませんが、「1か所しかない」状態だけは避けるというのが要点です。

よくある落とし穴

クラウドに上がっていると思い込む

実際に見てください。 設定がオフになっていた、容量が足りず止まっていた、というのはよくあります。

スマートフォンの容量を空けるときは、クラウド側を確認してから消すスマホの容量が足りないとき)。

同期とバックアップを混同する

同期は、削除も同期します。 誤って消したファイルは、同期先からも消えます。

  • バージョン履歴がある仕組みなら、ある程度は戻せます
  • 重要なデータは、同期とは別に、コピーを1つ持っておく

バックアップ先が壊れる

外付けドライブも壊れます。

  • 年に一度は、中身が読めるか確認する
  • 数年放置したドライブが読めないのは、珍しくありません
  • SSDは長期通電しないと、理論上は電荷が抜けます(ストレージの話

暗号化して、鍵を忘れる

外に持ち出すデータは暗号化すべきですが、パスワードを忘れると自分も開けません。復旧手段を用意しておいてください。

スマートフォンの場合

  • 写真 → 自動アップロード
  • 連絡先 → アカウントに同期されているか確認
  • アプリのデータ → アプリごとに扱いが違います。ゲームの引き継ぎコードなど、個別に必要なものがある
  • 機種変更の前に、バックアップを取る

機器を手放す前に

バックアップと逆の作業ですが、セットで考えるべきことです。

  • データを完全に消去する
  • 「探す」系の機能を解除する
  • クラウドとの紐づけを外す

買い替えたあと、古いガジェットをどうするか

今日やること

全部は無理でも、1つだけなら今日できます。

  1. スマートフォンの写真の自動アップロードがオンか確認する
  2. オフなら、オンにする
  3. クラウドの容量が足りているか見る

これだけで、失って一番困るものが守られます。残りは、必要になったときに足していけば十分です。