スマートホーム機器を持つなら、アカウントを守る

読みもの

鍵とカメラは、アカウントが破られると物理的な被害につながります。最低限の対策だけ書きます。

スマートホーム機器が増えると、アカウントが家の一部の鍵になります

  • スマートロック → 玄関を開けられる
  • カメラ → 室内を見られる
  • センサー → 在宅か不在かが分かる

普通のWebサービスとは、破られたときの意味が違います。最低限の対策を書きます。

1. パスワードを使い回さない

これが一番効きます。

別のサービスから漏れたパスワードを、そのまま試される攻撃(リスト型攻撃)が一般的です。使い回していると、1つ漏れた時点で全部が危険になります。

  • スマートホームのアカウントは、他のどこにも使っていないパスワードにする
  • 長さがあるほど強い。意味のある単語を並べた長いパスフレーズでも構いません
  • 覚えられないなら、パスワード管理の仕組みを使う

2. 二段階認証を有効にする

パスワードが漏れても、もう一段階あれば止められます

  • SwitchBot、Amazon、Google、Appleなど、主要なサービスには用意されています
  • 設定画面の「セキュリティ」「アカウント保護」あたりにあります
  • SMSより、認証アプリのほうが安全とされています

鍵とカメラを扱うアカウントには、必ず設定してください。

3. 機器側のパスワードも変える

ネットワークカメラで特に重要です。

  • 初期パスワードのまま使わない
  • 乗っ取り事例の多くは、ここが原因です
  • 設置したその日に変更する(家にカメラを置く前に

4. ファームウェアを更新する

  • 脆弱性が見つかると、メーカーが修正を配布します
  • 自動更新があればオンにする
  • サポートが終了した機器は、更新が来ません。これが買い替えの理由になります

ルーターも同じです(Wi-Fiの最低限のセキュリティ設定)。

5. 共有の範囲を決める

家族で使う場合、

  • 誰に何の権限を渡すか。鍵の解錠、カメラの閲覧、設定の変更
  • ゲスト用のアクセスがあるなら、期限付きで渡す
  • 共有を解除する手順も確認しておく

同居人が変わったとき、アクセス権が残ったままにならないようにしてください。

6. 不要な機能を切る

  • 使っていない遠隔アクセス
  • 使っていない連携サービス(IFTTT、外部アプリ)
  • 古い端末の登録

アカウントの設定画面に、ログイン中の端末や連携中のアプリの一覧があります。年に一度は見て、知らないものがないか確認してください。

7. 物理的な逃げ道を残す

技術的な対策とは別に、これが最後の砦です。

  • スマートロックを入れても、物理鍵を持ち歩く
  • 照明の壁スイッチを潰さない
  • サービスが止まっても、生活が止まらない構成にする

すべての自動化は、いつか止まります。 Wi-Fiが落ちる、クラウドが障害を起こす、電池が切れる(自動化の考え方)。

買う前に見ておくこと

  • 二段階認証に対応しているか
  • ローカルで動く処理があるか(クラウドが落ちても一部は動く)
  • メーカーのサポート期間
  • 過去にセキュリティ上の問題が報告されていないか

安いから、という理由だけで無名ブランドのカメラや鍵を選ぶのは、この分野では避けたほうがいいと考えています(安物で十分なものと後悔するもの)。

今日やる3つ

  1. スマートホームのアカウントのパスワードを、他と別のものにする
  2. 二段階認証を有効にする
  3. カメラの初期パスワードを変える

ここまでやれば、家庭で必要な水準はおおむね満たせます。設定は最初の一度だけです。