ワイヤレス充電は、速さではなく置き方で選ぶ

読みもの

Qi2でズレの問題は減りました。それでも有線に戻る人がいる理由と、避け方をまとめました。

ワイヤレス充電は「便利そうだから」で買うと、机の隅で使われなくなります。理由ははっきりしていて、置き方が悪いと充電されないからです。

Qi2(キューアイツー)の普及でこの問題はかなり減りましたが、全部が解決したわけではありません。

Qi2で変わったこと

従来のQi規格の最大の弱点は、コイルの位置合わせでした。数ミリずれると出力が落ち、気づかないまま朝を迎える。これが一番多い失敗です。

Qi2はマグネットで位置を固定する仕組みを標準に取り込みました。

  • 置いた瞬間に吸い付く。 位置合わせを人間がやらなくていい
  • ズレによる発熱と効率低下が減る
  • 縦でも横でも、斜めでも保持される

対応機種なら、ここは体感で変わる部分です。逆に、非対応のスマートフォンでは磁力が働かないので、従来と同じ位置合わせが必要になります。

手持ちの機種がQi2に対応しているか、あるいはマグネット内蔵のケースを使っているかで、買うべきものが変わります。

出力の話は、期待しすぎない

ワイヤレス充電は、構造上、有線より遅く、熱くなります。

  • 一般的なQi2の上限は15W前後。有線の30〜45Wとは別の世界
  • 変換ロスが熱になる。バッテリーは熱に弱い
  • 充電しながら操作すると、さらに発熱して出力が絞られる

だから、急いで充電したいときは有線です。ワイヤレスは「置いておく間に回復する」用途の道具だと割り切ると、評価が変わります。

向いている使い方

1. 寝る前に置く

一晩あれば、15Wでも十分に満充電になります。暗い部屋でケーブルの向きを探さなくていいのが一番の利点です。

2. デスクの定位置にする

作業中、スマホを置く場所を決めてしまう。取る・置くの動作だけで充電が続くので、残量を意識しなくなります。

3. モバイルバッテリーに貼り付ける

外出先で、ケーブルなしで充電できます。マグネット式の薄型バッテリーは、この用途に特化した形です。

  • ポケットに入れたまま充電できる
  • ただし発熱と変換ロスがあるので、同じ容量でも有線より減りが早い
  • 薄さと容量はトレードオフ。5,000mAh級が携帯性の上限

モバイルバッテリー

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向いていない使い方

  • 急いでいるとき。 有線を挿してください
  • 充電しながらゲーム・動画。 熱で絞られ、ほとんど進みません
  • 厚いケース、金属プレート付きのケース。 磁力と電力が通りません。カード類を挟むのも危険です

買う前に確認すること

  1. 機種がQi2に対応しているか。 非対応ならマグネットは効かない。ケースで補える場合もある
  2. 付属品に電源アダプタが含まれるか。 ワイヤレス充電器は本体だけで、充電器が別売りのことが多い。20W以上のPD充電器がないと、公称出力が出ない
  3. スタンド型か、パッド型か。 立てておくと通知が見える。寝かせると倒れない。使う場所で決まる
  4. 複数台を同時に置くか。 スマホ+イヤホン+ウォッチの3台なら、3in1タイプ充電ステーションが候補になる

発熱が気になるとき

  • ケースを外して充電する。 放熱が変わります
  • 夏場は直射日光の当たる窓際に置かない
  • ファン付きの製品もある。 音がするので、寝室には向きません

バッテリーの寿命は熱で縮みます。毎日高温にさらす使い方は避けたほうが長持ちします。詳しくはモバイルバッテリーの寿命の話に書きました。

買わなくていい場合

  • ケーブルを挿すのが苦ではない。 解決する問題がありません
  • スマホをよく手に持って使う。 置いた瞬間から使わない時間が始まるので、充電が進みません
  • Qi2非対応で、ケースも変えたくない。 位置合わせのストレスが残ります

買い時

ワイヤレス充電器は、セール時の値引き幅が大きい分野です。新規格への切り替え時期には、旧Qi規格の在庫が大きく下がります。

ただし、旧規格を安く買うと位置合わせの問題が残ります。Qi2対応かどうかは、価格差を払う価値がある違いです。型落ちで安いものを見つけたら、まず対応規格を確認してください。