Wi-Fiルーターは、速度の数字より置き場所で決まる
最新規格に替えても遅いままのことがあります。効く順番と、買い替えの判断基準です。
Wi-Fiが遅いとき、ルーターを買い替えるのは最後の手段です。原因の多くは、ルーターの性能ではなく設置場所と回線側にあります。
順番に切り分けます。
1. まず、回線側の速度を確認する
ルーターは、入ってきた以上の速度を出せません。
- 有線で直接つないで速度を測る。それが回線の上限です
- 有線でも遅いなら、ルーターを替えても変わりません。契約プランか、集合住宅の共有設備の問題です
- マンションのVDSL方式(電話線を使う方式)は、構造的に上限が低くなります
有線で十分な速度が出て、Wi-Fiだけ遅い。そこで初めてルーターの話になります。
2. 置き場所を変える
これが一番効いて、一番タダです。
- 床に置かない。 電波は下に飛びにくい。棚の上など、床から1〜2mへ
- 家の中心に近い場所へ。 端に置くと、反対側に届きません
- 金属と水を避ける。 冷蔵庫の裏、水槽の近く、金属ラックの中は大きく減衰します
- 電子レンジから離す。 2.4GHz帯は電子レンジと干渉します
回線終端装置(ONU)の場所に縛られる場合が多いのですが、LANケーブルを延ばしてルーターだけ移動させることは可能です。数百円のLANケーブルで解決することがあります。
3. 周波数帯を使い分ける
多くのルーターは2.4GHzと5GHz(機種によっては6GHz)を同時に出しています。
| 帯域 | 速度 | 届きやすさ | 用途 |
|---|---|---|---|
| 2.4GHz | 遅い | 壁を越えやすい | 離れた部屋、IoT機器 |
| 5GHz | 速い | 壁に弱い | 同じ部屋、動画、ゲーム |
| 6GHz | 速い | 壁に弱い。干渉が少ない | 近距離で高速に |
スマートホーム機器の多くは2.4GHzしか対応しません。 SSIDを分けている場合、機器の設定時に2.4GHz側へつなぐ必要があります。ここでつまずく人が多い部分です(スマートホームを始めるとき)。
4. それでも遅いなら買い替え
買い替えで効果が出るのは、次のどれかに当てはまる場合です。
- 5年以上前の機種を使っている。 規格が古く、同時接続の処理能力も低い
- 接続台数が増えた。 スマホ、PC、テレビ、スマートスピーカー、センサー類。同時接続台数の上限は機種ごとに決まっています
- 同時に複数人が動画を見ると止まる。 処理能力の問題です
- 家が広い、階をまたぐ。 1台で無理なら、メッシュWi-Fiという選択肢になります
買うときに見る項目
規格(Wi-Fi 6 / 6E / 7)
新しいほど速いですが、端末側が対応していないと意味がありません。手持ちのスマートフォンとPCの対応規格を確認してください。数年は使うものなので、1世代先を選ぶのは合理的です。
同時接続台数
家の中の機器を数えてください。思っているより多いはずです。
- スマートフォン・PC・タブレット
- テレビ、ゲーム機
- スマートスピーカー、センサー、カメラ、プラグ
20台を超えることは珍しくありません。 推奨接続台数が少ない機種だと、増えたときに不安定になります。
アンテナの数(ストリーム数)
数が多いほど、複数台を同時にさばけます。速度の数字より、混雑時の安定性に効きます。
有線ポートの速度
1Gbpsのポートしかない機種だと、それ以上の回線契約が活きません。回線が1Gbpsを超えるなら、2.5Gbps対応のポートがあるかを見てください。
メッシュ対応
家が広い、鉄筋で電波が通らない、階をまたぐ。この場合は中継機よりメッシュのほうが扱いやすいです。同じメーカーで揃える必要があるので、将来足す予定があるなら最初からメッシュ対応を選びます。
やらないほうがいいこと
- 中継機を安易に足す。 中継機は電波を受けて再送信するので、速度が半減することがあります。まず置き場所を見直してください
- 古いルーターをそのまま使い続ける。 ファームウェアの更新が止まった機種は、セキュリティ上のリスクになります。メーカーのサポート期限は確認する価値があります
- 最大速度の数字だけで選ぶ。 カタログの数字は理論値で、実測とは別物です
買い時
Wi-Fiルーターは、規格の世代交代のタイミングで前世代が大きく下がる分野です。そして、前世代で困ることは多くありません。端末側が最新規格に対応していなければ、差は出ないためです。
大型セールでも値引き対象になりやすいので、急いでいないならセールの時期を待つ余地があります。ただし、今まさに不安定で仕事に支障が出ているなら、それは待つ理由になりません。数千円の差と、仕事が止まる損失は釣り合いません。
当サイトで価格を記録している製品はネットワークのカテゴリにまとめています。回線が1Gbps以下ならWi-Fi 6のエントリークラスで足りますし、それを超える契約なら2.5Gポートや10Gポートを持つ機種が対象になります。
1台で家全体をカバーできない場合は、中継機かメッシュの2台セットになります。特定の1部屋だけなら中継機、家全体なら最初からメッシュ、という分け方が失敗しにくいです。
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