電源タップは消耗品。選び方と、替えどき
口数と長さだけで選ぶと、容量オーバーとホコリで危ない使い方になります。見るべき表示と交換の目安です。
電源タップは、ガジェットの中でいちばん軽く扱われている製品です。安いし、どれも同じに見える。しかし発熱と発火に直結する数少ない機器でもあります。
選び方と、使い続けるときの注意を書きます。
1. 「1500W」は合計の上限
ほとんどの電源タップは、合計1500W(15A)までという制限があります。口数が6つあっても、6台ぶんの余裕があるわけではありません。
消費電力の目安はこうなります。
| 機器 | おおよその消費電力 |
|---|---|
| ノートPCの充電 | 45〜100W |
| モニター(27インチ) | 30〜60W |
| デスクライト | 5〜15W |
| スマホ充電器 | 20〜70W |
| 加湿器(スチーム式) | 300W前後 |
| 電気ケトル | 1200W前後 |
| ドライヤー | 1200W前後 |
デスク周りの機器だけなら、合計しても数百Wで収まります。問題になるのは熱を出す家電です。電気ケトルとドライヤーは、それ1台で上限の8割を使います。
デスクの電源タップに、暖房器具やケトルを足さない。 これだけ守れば、ほとんどの事故は避けられます。
2. 見る表示は4つ
- 定格容量(1500W / 125V 15A)— 標準。これ未満の製品は用途が限られる
- 雷サージ保護 — 落雷による過電圧から機器を守る。ただし保護素子は消耗するので、一度大きなサージを受けたら効果は落ちる
- トラッキング防止 — プラグの根元にホコリが溜まって発火する事故を防ぐ構造。今から買うなら、これは付いているものを選ぶ
- PSEマーク — 電気用品安全法の適合表示。これがない製品は買わない
3つ目のトラッキング火災は、挿しっぱなしの機器で起きます。冷蔵庫やテレビの裏、机の下の見えない場所が典型的です。
3. 個別スイッチは、あると便利だが弱点もある
口ごとにスイッチが付いたタイプは、待機電力を切れるのが利点です。ただし、
- スイッチ部分は機構が増えるぶん、故障点が増える
- 誤って足で踏んで、必要な機器の電源が落ちることがある
- 機器によっては、突然の電源断でデータが壊れる
パソコンや外付けストレージにつなぐ口は、スイッチのないタップか、スイッチを触らない位置にしてください。
4. 長さは「余らせない」
長すぎるケーブルを束ねて使うのは、避けたほうがいい使い方です。巻いた状態で大電流を流すと熱がこもります。
- 必要な長さを測って、それに近いものを買う
- どうしても余るなら、8の字ではなく緩い輪にして、密に巻かない
- 延長コードの延長(タップにタップ)はしない
5. 置き方で寿命が変わる
- 床に直置きしない。 ホコリと水が溜まる位置です。天板の裏に固定するのが基本(配線のまとめ方)
- カーペットや布の上に置かない。 放熱できません
- 家具の裏に押し込まない。 点検できない場所は、トラッキングに気づけません
替えどきの目安
電源タップは消耗品です。5年を一つの目安にしてください。加えて、次の症状が出たら即交換です。
- プラグを挿しても緩い。接触が悪いと、そこが発熱する
- 本体やケーブルが変色・変形している
- 焦げたにおいがする
- 抜き差しのときに火花が見える(少量のスパークは正常ですが、毎回大きく出るのは異常)
- 落雷を経験したあと。サージ保護は使い捨ての部品です
数を減らすほうが安全になる
コンセントの口数が足りないとき、タップを増やすのが自然な発想です。しかしACアダプタを減らすほうが、安全にも見た目にも効きます。
スマートフォン、イヤホン、タブレット、モバイルバッテリー。これらを1台の多ポート充電器にまとめると、コンセントが1口で済みます。タップを増やす前に、この整理をしてみてください。
買い時
電源タップは単価が安く、セールでの値動きも小さい分野です。待つ意味はほとんどありません。
ただし、古いタップを使い続けるほうが高くつく可能性がある製品です。5年以上使っているものがあるなら、セールを待たずに替えてください。数千円の話で、失うものの大きさが釣り合いません。
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